気になる動き
2026.06.20
・このところ日本の株価は棒上げだ。日経平均は70,000の大台を超えている。
・しかしかってのバブル崩壊(1989年)を知るものとしては、この動きはやや気になる。第一に日本経済の現況はそれほど良くない。世界に通じるAIスタートアップがあるわけでもなく、またGAFA(グーグル、アマゾン、フェースブック、アップル)があるわけでもない。ただ相場が上げるから、素人(失礼!)がそれに便乗してお金を放り込み、それがさらに相場を上げているような感じがする。
・1989年のバブルの時は、もっと陽気だった。なにしろ皇居の面積でマンハッタンが買えるなどといわれ、日本全体がうきうきしていた。それが一瞬にして崩壊したわけだ。今回の場合は、よくわからないが、日本経済の閉塞状況を打ち破るものとして、人々がすがりつく対象が、株価のような感じがする。
・残念なことに日本政治は激動する世界に対応しているとは思われない。少し前の話だが、野党の質問者が「就職面接に100回落ちた」と述べたとき、与党の若手がどっと笑ったという(正確な内容は覚えていない)。与党の若手は世襲や地方の名門出だから、そもそも就職試験に落ちるなど言う状況は想像できない。つまり現代の上流階級なのだ。少し前の話になるが、田中角栄元首相は小さな建設会社を経営していたため、手形が落ちないという恐怖感を自ら知っており、それが景気観に反映したという。政治家が貧しい人たちの暮らしを自身で知るような時代は終わったようだ。
・かといって今の政界や財界の若手が、世界に打って出るほどの見識や度胸があるとも思えない。こうした人たちは、NHKで放映された、「荒川区のパン屋さん」(ドキュメント72時間、2022年)に集う人たちの語り口に耳を傾けてほしい。そこから学べることは多い。やや極端にいえば、その語り口から世界への共感が生まれるような気がする。
