ホンダのきびしい将来
2026.05.23
・すでに新聞等で報道されているようにホンダが経営危機に陥っている。直接の要因としては、開発部門だった「ホンダ技術研究所」を2020年に本社に吸収したことがあげられる(2026年に再独立)。これによって自由な開発体制が損なわれたという。
・筆者も長年ホンダ車を利用してきたが、前回の車検時に、ちょうど半導体不足にもぶつかって、ホンダの販社に新車は売れませんと言われ、やむを得ず外車に転向した。今ではフォルクスワーゲンに乗っている。このクルマはなかなか快適で、もう日本車に戻ることはないだろう。
・ホンダの今回の問題の原因は、より構造的にみれば、技術開発の在り方そのものが問われているのかもしれない。
・ホンダの強みは4サイクルエンジンにあった。当時他社のオートバイが簡単に馬力の出る2サイクルエンジンを採用したのに対し、ホンダは排気浄化の容易な4サイクルエンジンを利用し、回転数を上げることで馬力を稼いだ。しかし時代が変わりテスラのようなEV(電気自動車)が先端を切ると、もはやエンジンの出る幕はなくなった。車はSDV(software defined vehicle)に変わったのだ。
・今から思えば、その転機はDARPA(国防高等研究計画局)のグランドチャレンジだろう(2010年)。これは自動運転のコンテストだが、それの実現にはソフトが要だった。ここに集まった技術者が今のクルマのトレンドを握っている。残念なことに日本メーカーはこのレースに参加していない。物事の変化は、始まりはちょっとしたことだが、あるとき突然メージャーなトレンドに変貌する。経営者の役割はこうしたトレンド変化を読み誤らないことだろう。
(参考文献)
[1]ウォールストリートジャーナル,ホンダが「かってない危機」 復活は容易ならず、2026.05.19
[2]週刊文春、「ホンダ大赤字転落で人材も流出、三部社長の年収4億と暴走経営」、2026.05.28
[2]当ブログ、「「さよならホンダ」の衝撃」2025.02.15
