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宇宙産業の可能性

宇宙産業の可能性

 2026.05.02

・最初にちょっとした質問。「以下の2社の内容を知っていますか」もしくは「こうした会社の名前を聞いたことがありますか」

 

  Planet Lab,Rocket Lab Corp

 

・前者はニューヨーク証券市場、後者はナスダック市場に上場しているれっきとした一人前企業だ。ちなみにプラネットラブ社は約150機以上の超小型地球観測衛星「Dove(ダブ)」を運用し、地球上のあらゆる場所を毎日撮影・解析してデータを提供するアメリカの宇宙ベンチャー。またロケットラブ社は小型ロケットの打ち上げと衛星製造を主力とするアメリカの民間宇宙企業。同社は小型衛星専用ロケット「Electron(エレクトロン)」で世界有数の実績を持ち、ロケットの製造から打ち上げ、衛星コンポーネントまで一貫して提供する「エンド・ツー・エンド」の宇宙サービスを展開している(wikipediaによる)。

 

・日本では、こうした企業名が知られていなくても不思議ではない。それは日本に対応する企業がないからだ。たとえばアメリカのクルマ会社を日本人に聞けばフォードやGMの名前がすぐ出てくる。それは日本に対応する自動車企業(トヨタや日産など)があるからだ。しかし宇宙分野ではそうではない。アメリカではすでに宇宙が成長産業の市場として認識されているが、日本では宇宙と言えばJAXA(宇宙航空研究開発機構)の名前が浮かぶだけだからだ。

 

・しかしこうした日本の”宇宙音痴”は。産業政策としてみればやや問題だ。参考文献[1]に示したように、アメリカでは宇宙は次代の成長産業の市場として認識されており、すでに民間企業が進出しているからだ。この日米の違いはIT革新が日本に育たなかったことに起因する。アメリカの場合、イーロン・マスクのスペースX社やアマゾンのベゾスのブルーオリジン社など、IT企業はビジョン展開の場として宇宙を選び、そこでの展開を図っている。これに対して日本ではIT企業が育っていないため、こうした観点が産業界からは抜け落ちている。このままでは宇宙産業に日本の出る幕はなくなる。この意味で参考文献[1]にあげたブレンダンとロッソーの「成長産業としての宇宙(仮訳):Space to Grow 」をお読みになることをお勧めする。

 

(参考文献)

[1]Matthew Brendan & Weinzierl Rosseau,Space to Grow,Harvard Business Review Press,2025

[2]Amira Mckee,The Bezos vs. Musk Space Race is Heating Up,WSJ,Apr.16,2026

 ベゾス氏vsマスク氏、激化する宇宙競争