イラン紛争の今日的意味と日本
・今回のイラン紛争の特色は非対称性という言葉で要約される。イランの使用するシャヘド-136のコストは1機あたり2万ドルから5万ドルとされている.これに対しアメリカの使用するTHAAD迎撃ミサイルは1機当たり1,200万ドル、パトリオットミサイルは100万ドルとされている(参考文献[2])。これではミサイルの打ち合いは、アメリカにとってコスト的に引き合わない。また無敵を誇るアメリカのF35が撃墜されたように、今回は単純な近代戦の枠組み(強大な近代兵器を持つ方が圧倒的優位に立つ)では理解しがたい状況が生じている。
・イランの目的は明確だ。彼らは中東に新たな秩序を築こうとしている。つまり1956年の再現だ。スエズ介入という惨事のあとイギリスがこの地域からの撤退を余技されなくされたときを思い出してほしい(参考文献[1])。今回はアメリカがイギリスにとってかわる。
・現状では、フィナンシャルタイムズの論説委員マーチン・ウルフが指摘するように、「イランが勝利している」(参考文献[3])。したがってイランの望むシナリオが実現する可能性は高い。
・さて日本はどのように進むべきか。安易な解決策はない。マーチン・ウルフのいうように、われわれは当面「アメリカが正気に戻ることをねがうしかない」。
(参考文献)
[1]Nadin Brzezinski,Moscow and Kyiv, with a Side of Iran,Medium,March,19,2026
[2]Haye Kesteloo,Shahed Drones Are Hitting The Gulf And The $2,500 Answer Is Still Being Ignored,medium,March 17,2026
[3]Martin Wolf,Trump has broken it. Now he owns it,FT,March 17,2026
