イラン戦争の行方
2026.04.04
・イラン戦争の行方はどうなるだろうか。ここでは冷静な分析で定評あるBBCの解説を利用してみる。これは日本語で読めるので、ぜひご一読をお勧めする。以下その内容。
*トランプ大統領とイスラエルのネタニアフ首相がイラン空爆を始めてから1か月がたつ。
*トランプ氏は厳しい選択に直面している。イランとの合意が得られない場合、大統領には何ができるのか。「勝利宣言」をしてみるか。あるいは戦争をエスカレートさせるのか。
*トランプ氏にとってはイラン側の粘り強さが想定外だった。かれは今年1月のベネゼラ強襲がうまくいったのでその再現を狙ったようだ。
*どうもトランプ氏は自身の直感に頼っている。彼の側近グループは大統領の決定を支持し、それを実行することに注力し、権力者に不都合な真実を伝えようとはしない。
*アメリカのこれまでの大統領は、イスラム共和国を破壊するためにネタニアフ首相に同調して戦争を選ぼうとはしなかった。イラン政権はしぶとく強硬でしっかり組織化された手ごわい敵であることを知っていたからだ。
*イランは戦線を拡大し、湾岸諸国やその領内にある米軍基地やイスラエルを攻撃している。さらにホルムズ海峡を事実上閉鎖した。イランは海峡から遠く離れた山岳地帯から安価なドローンを発射することで海峡を支配できる。
*トランプ氏とその側近は戦争の終わらせ方をきちんと議論していなかったようだ。ホルムズ海峡だけでなく紅海にもバブ・エルマンデブ海峡があり、そこで船舶攻撃が激化すれば、スエズ運河を通ってアジアと欧州を結ぶルートが遮断される。
*これは非対称の戦争だ。アメリカはベトナムでもアフガニスタンでもこれの教訓を学んだはずだが。
*アメリカは今中国の台頭に直面している。かって英国はスエズ危機によって衰退の道を歩んだ。アメリカにとって今回の騒動は衰退への節目として記憶されるようになるかもしれない。
・冷静なBBCらしく、論点は明確だ。アメリカは振り上げたこぶしをメンツをつぶすことなくおろすことができるだろうか。そうでない場合、世界経済は大きな影響を受ける。これは貿易に頼る日本経済にとってもやっかいな出来事だろう。
・かって日本は英国の封鎖を突破しイランから原油を輸入した(1953年)。これを行ったのは出光の日章丸だ。百田尚樹の小説、「海賊と呼ばれた男」を読んだ人も多いだろう。今の日本人にはそこまでのガッツはないようにみえる。
(参考文献)
[1]BBC News Japan,2026.03.01
[2]WSJ,"イラン上空で撃墜の米戦闘機、乗務員一人は救出",2026.04.04
