コンサルティングの将来
2026.02.21
・中島さんのブログ(Life is Beautiful)に引用されていたのだが、「コンサルティングの将来」と題する論文はなかなか面白かった。著者のラファエル・ダバディーはモルガン・スタンレーの金融専門家らしい(ウィキペディアではうまく引けなかった)。
・論文の主旨は以下の通り。
*コンサルティング業はいつの時代にも繁栄してきた。産業革命の初期は、産業家に労働の規律と組織の方法を教えた。経済が発達し企業が直感だけでは舵を取れなくなってきたとき、彼らは意思決定を合理化するための枠組みを構築した。さらにコンピュータが登場するとITコンサルタントは現代の組織に配線(筆者注:情報ネットワーク)を組み込む作業に従事する。
*AIが登場するとコンサルティング業界はさらに変化する。たとえばIT企業のパランティアはソフトウェアプラットホームをクライアント組織内に組み込み、新たな技術サービスを提供し始めている(オントロジー)。その特色は、①幅広い専門課題で専門家に匹敵するかそれを上回るモデル、②数時間に及ぶワークフローを自律的に担うことができるエージェント、③その知性の価格を崩壊させるほどの低価格。
*こうして10年以内にAGI(AIが人間の専門家レベルに到達する)が実現したとき、AIはどんなコンサルティングチームよりはるかに多くの情報を入手し、どんな複雑な問題にも取り組むことができるようになる。
*人間のコンサルタントがこの時代に取り組むべきは、「正しい問いを立て、政治や文化を読み取り、人々を動かす決定や物語に責任を持ち続けること」。しかしこれができる人間コンサルタントはおそらくごく少数だろう。つまり並みのコンサルタントは不要になる。
・ここでは今進みつつあるAIの典型的なインパクトとして、典型的な知的労働であるコンサルタント業の腐食化をみてきた。AIの影響はこれにとどまらない。おそらく様々な人間労働に影響を及ぼすだろう。しかもこの変化のスピードは考えられないほど速い。さてあなたの仕事は5年後にも無事だろうか。
(参考文献)
[1]中島聡、Life is Beautiful,2026.2.17
[2]Raphael Dabadie,"The Future of Consulting belongs to AI",https://x.com/RaphaelDabadie/article/2020540434938785952
