日本のソロスショックの可能性?
2026.01.24
・高市首相は、減税と景気刺激策を掲げて衆議院の解散に踏み切った。また同内閣の財務相はダボス会議で、こうした支出が日本経済の成長へと結びつき、将来の財政負担を減らすと述べたようだ。
・しかし国際金融市場の受け止めは逆だ。彼らは日本の政府見通しは楽観すぎるとみている。それは日本の政府債務がすでにGDPの250%程度に達しているからだ。しかもこれまで日本は数十年にわたって、こうした形で成長回復を試み(例:アベノミクス)、うまくいってこなかったからだ。
・今回の騒動で思い出すのは、英国ポンドを襲ったソロスショックだ(1992年)。ジョージソロス(1930-)は投資家として有名で、当時英国ポンドが過大評価されていると考えポンド売りを仕掛けた。これに対する英国政府はポンドを買う資金が尽き、結局ポンドは大幅に切り下げられた。この仕掛けでソロスは数十億ドルを儲けたとされている。
・今回は日本が国際投機家の標的になる可能性が高い。日本政府の債務返済費用はすでに政府予算の4分の1程度を占めている。これが持続可能だとは誰も思うまい。本来政府がやるべきは、リスクを取る民間企業の邪魔をしないことにより、民間主導の成長回復可能性を探ることだ。しかし日本の民間力も残念ながら弱い。たとえばアメリカの場合はイーロン・マスク率いるテスラやスペースXがその役割を果たしている。日本には残念ながらマスクはいない。スペースXに関しては次回のブログで取り上げる予定だが、その歴史をみるとマスクがどれだけリスクをとって企業を育ててきたかがよくわかる。失礼ながら日本のIT企業家と言われる方は、マスクのような先見力もリスクテーキング力も持ち合わせていないようだ。
・このままでいくと、円が売り込まれるかもしれない。それは国内物価の上昇につながり庶民の生活を苦しくさせるだろう。
(参考文献)
[1]Lo Lewis & David Keohane,"Japan's Sanae Takaichi vs the bond markets:investors palce their bets",FT,Jan.22,2026
[2]社説、「日本に向かう『債権自警団』」,WSJ,Jan.22,2026
The Bond Vigilants head to Tokyo
