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プロジェクト・アイスバーグ(project iceberg)に関して

プロジェクト・アイスバーグ(project iceberg)に関して

  2025.12.20

・MITのプロジェクト・アイスバーグは、新たな統計作成手法として興味深い。これは、アメリカの1.5億人の労働者を個別に自立エージェントとしてモデル化し、各人に対し32,000種類の異なるスキルのどれが当てはまるかを調査したものである。これを利用して、どのスキルがAIによって代替可能かを想定し、それに基づいて労働者がどれだけAIによって置き換わるかを見てみた。

 

・AIによって代替可能となる職種は、金融・医療・専門サービスなどだ。この調査によると、この分類を当てはめれば、AIは米国労働市場の11.7%を置き換えることになるという。つまり10人に1人はAIによって、労働市場からはじき出されてしまうことになる。この人たちは今後何をすればよいのか。

 

・プロジェクト・アイスバーグという名前は、この調査の特性をよく表している。つまり氷山は見えるところは全体の1割に過ぎない。このプロジェクトは、(可視部分でない)残りの9割を個別実態調査を通じて明らかにすることを目的としている。こうした形で、労働者を個人レベルまで対象として調査し、その特性から失業可能性を調べるやり方は、まさに現代のAI手法といえる。

 

・これからは、この手法が各方面で使われることになるだろう。従来の、いわゆるサンプル値を使ったデータ推計ではなく、対象のミクロ実体をすべて把握し、その集計としてマクロ数量を測ることになる。GDP統計の推定などにも、この手法を当てはめることができるかもしれない。今後の進展に注目したい。

 

・これで今年のブログはおしまいです。

 

(参考)

[1]MacKenzie Sigalos,CNBC report ,November 2025

[2]Ayash Chopra etal.,"The Iceberg Index:Measuring Skills-centered Exposure in the AI economy",MIT,https://iceberg.mit.edu