人民元と円の対ドル相場の推移
2025.12.06
・最近人民元の相場を見ていて気付いたのだが、ここ十余年、対ドルではあまり大きな変化がない。2013年当時1人民元は0.16ドル程度だった。それが2025年時点では0.15ドルとなっている。この間中国経済は大きな発展を遂げ、その経済規模はアメリカに匹敵するようになっているにも関わらずだ。
・これを円の対ドル相場の推移と比べると大きな違いがある。日本の為替レートは2013年に98円/ドルだったが、2025年には155円/ドルとなった。つまりこのところ、大幅な円安が進んだ。ただし過去の動きはこれと逆だ。円相場は1985年には200円/ドルだったから、1985年から2013年にかけては大幅な円高が進んだことになる。これによって日本の輸出産業は大きな影響を受けた。当時、内需主導型産業への構造転換がさけばれたが、あまりうまくいかず、国内産業の空洞化が進んだ。
・こうした円相場の90年代の変化は、1985年のプラザ合意以降に生じたことだ。つまりアメリカが日本や西独に対ドル相場の切り上げを迫った結果だ。これに対して現在の中国にたいしては、アメリカが人民元の切り上げを要求するような動きは見られない。
・もしも人民元が対ドルで大幅に切り上げられれば、中国の輸出には影響が出るだろう。他方で中国の人々は元高の恩恵を受けることになる。海外商品が大幅に安くなるからだ。
・もし人民元が切り上げられたら、ドルベースでみると、GDP規模でアメリカを中国がすでに抜き去っているという姿が明らかになる。これはアメリカにとってうれしくない。このためにアメリカは中国に人民元の切り上げを迫らないのかもしれない。
