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外国製品への傾斜(再論)

外国製品への傾斜(再論)

  2023.10.22

・この欄で「外車に乗る」を書いたのは本年4月のことだ。長年国産車を使っていたが、半導体不足とやらで、希望の国産車は1年待ちと販売店から言われた。そこでやむなくドイツ車の販売店を覗いてみた。ほしいのはワゴンタイプだ。そうしたら国産車よりちょっとグレードの良いのが、下取り込みで国産車とほぼ同等の値段で購入できることが分かった。こうして日本車をあきらめ、ドイツ車に乗ることとなった。

 

・4月に発注して、クルマが来たのは7月だから、特に待たされたわけではない。運転してみると、なかなか調子は良い。特に気に入っているのはヘッドアップディスプレイだ。グーグルマップをiPhoneからブルートゥースで車につなぐと(Apple car playが入っている)、フロントガラスに、グーグルの指示が投影されて、「500メートル先を右折」などが図示される。いちいちカーナビを見ないで済むのはありがたい。もちろん最新の国産車にも、同じ仕組みはすでに搭載されているかもしれないが、当方は知らないので失礼。

 

・話は変わるが、仕事の関係でパソコンを入れ替えることになった。もちろん直販システムを利用する。比較したのが、国産A社とアメリカのB社だ。

 

・当方の必要なスペックは、インテルi5、Windows11Pro、メモリー16GB,ストレージはSSDで512GB、DVDライター込み、などだ。

 

・これを国産A社でチェックすると、約16万円だった。これがアメリカのB社では10万円弱と出てきた。

 

・そこでB社にパソコンを発注すると、2日ほどで本体が届いた。いろいろセットアップをしてみたが特に問題ない。

 

・実は、今回は2台のパソコンの入れ替えだった。そこでB社のサイトを再度チェックすると、同じスペックのパソコンが、今度は9万円を切る値段で出ていたので、さっそく発注した。

 

・なぜB社がこうしたことができるのか。いくつかの推論が可能だ。一つはサプライチェーンがしっかりしているため、近年の半導体余りをうまく活用して、メモリーなどを安値で臨機応変に入手していること。第二にパソコン生産量が多いため、部品メーカーとの間の交渉力が強いことなどだ。しかも生産・配送システムがしっかりしている。注文した2台目は、発注翌日にはパソコンが手元に届いた(関東圏)。

 

・話はちょっと飛ぶが、アマゾンなどでは、競合他社の価格をリアルタイムでチェックしており、相手が下げれば、即座に対応するようだ(ユーザーが使えるKeepaのことはご存じだろう)。今回のパソコン直販の場合、日本のA社は、こうした仕組みをもっていないように見える。つまり競合相手の価格設定を、リアルタイムに見ていないのではないか。

 

・また日本の場合、購入側にも問題があるだろう。企業でパソコンなどを購入するときは、前例に倣うことが多いので、スペックや価格にあまり注意を向けないのかもしれない。しかし当方のようなソフト屋にとっては、良い品を安く買うことが、生き残りの秘訣だ。

 

・クルマもそうだが、パソコンでも外国企業の方が商売がうまい。今回のような体験が重なれば、日本企業から買わなくなる。そのさきはどうなるだろうか。ちょっと心配だ。