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新型コロナウィルスの感染について

新型コロナウィルスの感染について

  2022.07.16

・新型コロナウィルスの感染者数が日本でも急速に増えている。東京都の新規感染者数は、7月14日には1万人を超えたようだ。

 

・これに関する情報を整理しておく。これまでの世界の感染状況を見ていくと、最初にオミクロン株(BA.1)がアメリカで流行したのは昨年の収穫感謝祭(11月末)頃で、デルタ株にとって代わった。BA.1は今年春にBA.2によって置き換えられた。そしてBA.4とBA.5の感染スピードはもっと早かった。本年1月から2月に南アフリカで発見され、すぐにBA.2に置き換わり、世界中で流行した。アメリカでは現在コロナ感染の54%がBA.5で17%がBA.4である。

 

・一方アジアではBA.2.75が猛威を振るっている。これはケンタウルス(Centaurus)と名付けられ、今年5月にインドで発見された後、米国、オーストラリア、英国などで見出された。最近は韓国でも感染例が出たようだ。

 

・日本の場合、今の感染源がBA.2.75かBA.5かはわからないが、いずれにせよ厄介だ。以下はアメリカのBA.5に関する記事をまとめるが、おそらくケンタウルス(BA.2.75)も同じ問題を持つだろう。

 

 *BA.5は免疫システムをうまく潜り抜けてしまう。またこれまでコロナにかかった人も再感染するケースがある。ただしこれまでの症例を見る限り、ワクチンを打っていると、症状は軽くて済みそうだ。

 

 *厄介なのは、その感染力の強さで麻疹(はしか)並みである。しかもこれまでのワクチンでできた抗体をうまく潜り抜けてしまう。その結果がどれだけ厳しいものかは、まだわかっていない。ただしワクチンは打っていた方がよさそうだ。

 

 *今後も様々な変種が現れ、われわれはそれと共存していかねばならない。しかもその変化はインフルエンザよりも早い。また今後のコロナ変種が症状が、これまでより軽いという保証はない。

 

・コロナ感染が一段落したと思ったら、それはつかの間の幻想だった。ウクライナ戦、インフレの高進、これに加えて新たなコロナ感染とは、難しい時代になったものだ。このような時には、世界の最新情報を集め、自ら判断して行動していく以外ない。e予測がそのちょっとした助けになれば幸いである。

 

(参考)

・Ed Yong,"Is BA.5 the 'Reinfection Wave?'",The Atlantic,2022.07

・Donato Paolo Mancini,"Coronavirus sub-variant 'Centaurus' spreads across India and parts of Europe",FT,2022.07.16