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地球温暖化問題の緊急性

 地球温暖化問題の緊急性

  2020.07.25

・世の中はコロナショックへの当座の対応であたふたしているが、長期問題としての地球温暖化問題も無視できない。

 

・最近の極地における異常気象は、報じられているだけでも、シベリヤで熱波の発生、南極スウェイツ氷河(Thwautes glacier)の融解,南極海底でのメタン漏出など数多い。

 

・人間の経済活動によるCO2濃度の上昇が地球温暖化に与えるインパクトをみるには、気候感度(ECS,equiriburium climate sensitivty)が使われてきたが、最近では気候の漸増応答(TCR,transient cliamte response)が用いられるようだ。しかし両指数共に、CO2濃度倍増時の温度上昇は、2度弱になるようだから、これを基準として考えればよい。

 

・地球の平均気温を2度に抑えるためには、言うまでもないが、経済構造の大胆な変革が必要になる。

 

・シンクタンク・マッキンゼーは、地球の平均気温を1.5度上昇に抑えるための経済的経路を求めている。それによれば、この目標達成のためには、2030年には現在のCO2排出量を半減し、さらに2050年には排出量をネットでゼロにしなければならない。

 

・これは世界全体の話であり、途上国の経済発展のためにある程度のCO2排出量”増加”が許されるとすると、先進国である日本には、より厳しい制約がかかってくる可能性が高い。

 

・これは可能だろうか。エネルギーや環境の専門家ほどやや悲観的な見通しを持ちがちだ。しかし少し角度を変えてみると新たな可能性が見えてくる。

 

・それはIT革新の活用だ。その効果はいくつかある。第一に産業革命型の成長が終わりを告げることだ(ゴードン仮説)。第二に通信による移動の代替だ。これはエネルギー消費の大幅減少をもたらす。最近のコロナショックでその実態が明らかになりつつある。第三は産業構造のIT化だ。いわゆるGAFAが温暖化問題の抑制に積極的な姿勢を示すのは、彼らのビジネスモデルではそれが可能だからだ。

 

・現在開発中の、e予測ENE/CO2シミュレータver2では、この問題が正面から取り上げられる(2020年末発売予定)。

 

(参考)

・Gerald A.Meehl etal.,"Context for interpreting equiriburium climate sensitivity and transien climete response from the CMIP6 Erth system models",Nature24,June,2020

・Greg Ip,「経済に影響する気候変動、もはや絵空事ではない」

      "For the economy, Climate Risks are no longer theoretical",WSJ,Jan.17,2020・Mckinsey Quaretery,"Climate math: What a 1.5-degree pathway would take",May,2020

・Damian Carrington,"Cliamte crissi:alarm at record-breaking heatwave in Siberia",The Gurdian,June 17,2020

・Damian Carrington,"First active leak of sea-bed methan discovered in Antarctica",The Gurdian,July 22,2020

・Leslie Hook,"Climate change;what Antacrica's 'doomsday' glacier means for the planet",FT,July 13,2020