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テスラの新型EV充電器の発表

テスラの新型EV充電器の発表

  2019.03.30

 ・テスラは同社のEV向けに充電器を設置し、設置場所は世界で1万2千カ所に及ぶ。

 

 ・同社は、本年3月新型充電器V3を発表した。これまでの充電器は充電速度が120kwであったが(V2型)、新型では250kwとなっており、単純に言うと倍の能力を持つ。ということは充電場所がこれまでの倍に増えるとみることもできる。新型充電器を使えば、モデル3なら、最速、5分で120キロ走行用の充電が可能になるという。

 

 ・この充電器は当面ベイエリア(サンフランシスコ)に設置され、アーリーアクセスプログラムに参加しているオーナーのみに開放される。またモデルSとモデルXに関しても、ソフトのアップデート(これは自動的に行われる)により、数ヶ月以内にこの新型充電器が利用可能になるようだ。

 

 ・この充電器の記事で面白かったのは、クルマにオンルートバッテリーウォームアップという機能をつけたことだ。これはクルマがナビゲーションを使って充電器に向かっているとき、その到着に合わせてバッテリ-を充電に最適な温度に温める装置だ。これによって充電時間は25%ほど短くできるという。

 

 ・バッテリー性能を上げるために温めることは昔からよく行われてきた。今から30年ほど前になるが、当時のアメリカ五大湖地方では、冬にはバッテリーを外して、自宅内に保存することがよく行われていた。そうでないと朝の通勤時にセルでエンジンがかからなくなるからだ。しかし今回の工夫、充電スピードをあげるためにバッテリーを温めるというのは初耳だ。ここからは推測になるが、テスラはすでに50万台のEVを走らせており、その走行データをすべて把握している。充電データを分析しているうちに、たとえば季節別の充電時間の差や、もしくは地域(冬期のアメリカ西部と東部)別の充電時間の違いに気がついたのではないだろうか。そこからは、話は簡単で、バッテリーを充電に最適な温度に温めておけば、効率よく充電できるということになる。それが今回の効率アップにつながったのではないか。

 

・前にも述べたが、EVを含めた自動運転は、グーグルのウェイモ、テスラ、GMクルーズの3グループがトップ争いをしている。こうした中で唯一実車データを持つテスラの強みが発揮されたのが今回のニュースのように見える。

 

(参考)

・テスラチーム、「V3スーパーチャージングを発表」,2019.03.16

・Lambert F.,"Tesla is launching new Supercharger V3 this week,says Elon Musk"

,Electrek,2019.03.03

・電気自動車関連主要海外ニュースNo.2514,2019.03.14