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シンガポール雑感

シンガポール雑感

  2018.11.18

 シンガポールに行ってきた。数年ぶりだが相変わらず旅人に優しい町だ。交通は地下鉄が便利で、イージーリンクカードを買うと、日本で言うパスモと同じ使い方ができる。帰るときは、カード代(また行ったときに使える)を差し引いた残額を払い戻してくれるので問題ない。

 

 筆者は年齢の関係で髪が白いが、地下鉄に乗ると100%誰かが立って席を譲ってくれる。あるときなどは、必死にパソコンを叩いていた若い女性が席を譲ってくれたのには、恐縮した。

 

 ここでの食事は、フッドコートを使う。オーチャード通り(日本で言えば銀座か)にもあるが、今回はインド人街のシティモールにあるフッド・リパブリックを利用した。日本のフッドコートとの違いは、お客が材料(野菜、肉、キノコその他)を適当に選ぶと、それをさっと麺とゆでて、つゆそばにしてくれることだ。毎回違う具材を選んで楽しんだ。せいぜい8SGドル(640円ぐらい)程度なので,懐を気にせずに注文できる。もう一つの楽しみはフルーツで、マンゴ、パパイヤ、スイカなど好きなものを切ってくれる。これもせいぜい8SGドルていどに収まる。

 

 フッドコートでは学生、サラリーマン、子づれの主婦、老人など様々な人々が座って楽しく食事をしたり、またはスマフォに見入っている。住民の憩いの場所だろう。

 

 期間中、アセアンのサミットが開催され、それをテレビ中継していた。シンガポールの外務大臣のスピーチは、わかりやすく内容もしっかりしていた。もちろん英語だ。そういうと今流行の「小中学校で英語を教えろ」という話につながりそうだが、むしろ筆者は逆の感想を持った。

 

 筆者の経験で言えば、英語は読み書きをしっかりする方が大事で、ヒアリングやスピーチは,その後で集中して半年ぐらいやれば、何とかなる。しばらく前に「ジャッジ」という映画があった(2014年)。これは主人公の妻夫木聡が英語が全くできないで国際会議に行く話だ。対照的に英語のベテランで外国の習慣にも慣れている女性(鈴木京香)が同じ会議に出席する。途中は省略するが、妻夫木が手振りを含めた話の内容で出席者との間にうまくコミュニケーションを取ったのに対し、英語のベテラン(鈴木京香)は会議の政治騒動に巻き込まれ、うまく結果をだせない。

 

 これはコメディだが、やはりポイントはどれだけ話に内容があるかだろう。流ちょうにしゃべることができればすばらしいが、できなくても特に困らない。

 

 話は飛ぶが,今回はLCC(低価格エアライン)のスクートを使ってみた。どの程度実用性があるかに興味があったからだ。さすがに歳を取っているので、ビズクラスにした。これでもまだ安い。結果的にいえば、空の旅はなかなか快適だった。もちろんチェックインなどは客が端末でやる必要があるし、食事も(ネットで注文しておく)簡単だ。しかし時間通りに飛んでくれて、ある程度ゆったりできれば、(それほど長時間でなければ)当方にとっては十分だ。しかし(ビズクラスに)日本人の客はほとんど見かけなかった。これで思い出したが、シンガポールの町中でもあまり日本人は見かけなかった。当方は海によく行くせいか、色が黒いのでインドネシア人に間違えられたりした。いずれにせよ当地で日本の存在感は徐々に薄れている感じがする。

 

 短い旅ではあったが、ちょっと考えさせられた。