アマゾン・ファイア・スティックの衝撃

アマゾン・ファイア・テレビ・スティックの衝撃

 2017.05.27

・アマゾン宅配の利用回数が増えたので、プライム会員になった.配送料を節約するためだ。特に買い物の総額が2,000円以内の時に、余計なものを買わずにそのまま注文できるのはありがたい。

 

・そのときおまけでついてきたのが、アマゾン・プライムだ。映画やテレビドラマなどが見放題になるそうだ。半信半疑で、それを見るためのファイアスティックを5,000円弱で購入した。

 

・使い方は簡単で、このスティックをテレビのhdmi端子に差し込めば良い。もちろんネットのwifi環境が必要だが、現在では多くのお宅で設置済みだろう。あとは自動的に接続が始まる。

 

・現在、当方はケーブルテレビを利用して、映画や過去のテレビ番組を見ている。この場合、3つのリモコンを操作する必要がある。第一はテレビ用、第二はdvdレコーダ用、第三はケーブルテレビのstb(セットトップボックス)用のリモコンだ。どのリモコンにもテレビ・チャンネルをはじめとする多くのボタンがついており、操作はやっかいだ。ディジタル革命の先駆者メグロポンティが、ビデオ操作は子供に任せているといっていたのが理解できる。

 

・しかしアマゾン・スティックの操作ボタンは、4つほどで、操作説明書もない。これですべての用が足りる。操作が簡単になった一つの理由は、AIの活用だ。このスティックは、呼びかけるだけできちんと仕事をしてくれる(これはアマゾンのエコーと同じ技術だろう)。たとえば「ジョン・ウェイン」と呼びかけるだけで、ジョン・ウェインの西部劇の一覧が出てくる。他社のAIは使うのが結構面倒で,まず学習させたり、そして何度も言わないと言うことを聞かないが、このスティックは、一回しゃべればほとんど用が足りる。こうして好きな番組をゆったりと見える環境が整ったわけだ。

 

・知人に話を聞いてみると、同種のサービスであるHULUからこちらに乗り換える人も多いと聞く。問題は、日本のテレビ会社が、こうしたサービスになかなコンテンツを公開しないことだろう。そうした抵抗姿勢はいつまで持つのか。

 

・これを使ってみて思ったのは、既存のテレビシステムの時代は終わりに来たということだ。アマゾンが新刊本と中古本を同時に売り出したことで、本屋の流通が劇的に変わったように、このシステムを使えば、テレビドラマなどが、どの回からも何度も見られる。これは、プロジェクトXのような特集番組でも(アマゾン上で公開されればだが)、同じだろう。

 

・このシステムが普及すれば、テレビ局は、高給な社員を雇い、高いテレビアンテナから電波を送ることの、存在意義はなくなる。アマゾンプライムのように、配信には、ウェブ・インフラを利用すればよいからだ。またコンテンツ作成は、下請けプロダクションという形で、すでにテレビ局の手を離れている。アマゾンは、この時代に、テレビの流通経路の要を抑えることを狙っている。そこでの武器は豊富な資金力とAI技術だ。すでに新聞の斜陽化が言われて久しい。テレビ局が同じ運命をたどるのも割と早いだろう。これがアマゾン・スティックの使用感想だ。

 

(参考)

・WSJ記者レビュー、「米Huluの新アプリに見るテレビの未来」、2017年5月11日

・"Google says it is `rethinking all our products' for the AI age",FT,May 17,2017

 

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