e予測シミュレータの特色と構成



1.e予測シミュレータの特色

  • マン・マシンシステムであること。
  • 経済モデルの操作に関する専門知識が不要で、誰もが経済計算を実行できる。
  • 瞬時に答えが求まる。したがって想定を変えることにより、さまざまな状況のシミュレーションが可能となっている。
例1:消費税を上げるとき、さらに為替が円安に振れたら経済はどうなるか。
例2:世界経済が低迷したとき、日本で公共支出を増やしたら日本の景気はどうなるか。
  • デスクトップPCで計算が可能。ソフト自体も個人が入手可能なレベルの価格で提供される。

2. e予測シミュレータの構成

e予測シミュレータは以下の3つのシミュレータから構成される。いずれも、日本経済の今後抱える問題点を、時間的、空間的に、さまざまな角度から検討していくことを目指している。

①e予測JPNシミュレータ

  • 2025年までの世界経済、日本マクロ経済、日本産業構造のシミュレーションをおこなうマシン
  • 2018年3月6日:SXバージョン開始

②47県シミュレータ

  • 2019年までの47県経済予測を、日本全体のマクロモデルの計算結果と組み合わせて求める。日本経済全体の動きと整合的な各県のマクロ経済の姿が求められる。
  • 各県の産業連関表が含まれており、これを用いることにより各種プロジェクト分析(例:観光事業を推進したときの経済効果)が可能となる(除く東京都)。 
  • 各県の経済構造を横並びに比べることができる(例:千葉県と埼玉県経済の比較)。
  • 開発段階:2018年6月発売予定

③2040エネ環境シミュレータ

  • 2040年までの、日本のエネルギー需給やCO2排出量の推移を、マクロ経済や産業構造とリンクさせたうえで求める。
  • 開発段階:2019年1月公表予定

3. ユーザー

ビジネスマン:

  • 経済の将来構造が、さまざまな想定の下に瞬時に求められる。
    例1:アメリカのIT投資が伸びた時の日本経済へのインパクト。 
    例2:中国の元切り下げのときの日本経済への影響。
    例3:消費税を上げて、同時に円高になったときの日本経済の動向。
  • 47県別自動車販売台数、建築着工数など(47Kシミュレータの場合)。

市民:

  • 政府の施策やシンクタンクの予測・分析について、モデルを自分たちで計算することにより、結果の追試や比較をすることができる。
      

学生:

  • 経済の感度分析(円安の効果、公共投資増加の効果など)を、さまざまな変数を対象に、条件を変えたとき、経済がどうなるかを手元のPCで確認できる。マクロモデルを自身の手で動かすことと同じ作業が可能になる。
      
  • 経済の学び方を、従来型(教科書や授業で知識を吸収)でなく、実際の経済現象からスタートすることにより、問題意識を持って授業に臨むことができる。

4. e予測シミュレータ活用例

  • e予測シミュレータでは経済現象をダイナミックに捉えるため、世界経済及び日本経済マクロ・日本産業構造を計算するツールが用意されている。
    ここでは、e予測JPNシミュレータを使い、そのツールの具体的な活用例を紹介する。