出所:Per Bak,”How Nature Works”
- e予測シミュレータは、”マン・マシンシステム”を使った繰り返し作業による漸近的接近プロセスによって、不確定な将来を探るための仕組みである。
- このシステムを使って様々な可能性を検討することにより、将来の姿がおぼろげに見えてくる。これは、闇夜で行灯を照らすことにより、道の先行きを見定めることに似ている。
- この手法は、考察対象も探索手法も明確でなく、それ自身を模索せざるを得ないとき、よく使われる。
たとえばソフト開発の手法として、アジャイル・ソフトウェア開発(agile software development)がある。これはプロジェクト開発者と注文主が一堂に会し、ソフトの試作品の開発、それのチェックと改良点の示唆、さらにソフト内容の変更と改良という反復作業を行うことにより、ソフトの機敏で能率的な開発を行う手法である(適応型開発手法)。
これに対し、あらかじめ開発内容とソフト作成手順を事前に詳しく決めてから開発を行う従来型の手法はウォーターフォール開発手法と呼ばれている。
- e予測シミュレータは経済予測のアジャイル版といってよい。
(参考)
Rasmusson J.,「アジャイルサムライ」、西村直人、角谷信太郎監訳、近藤修平、角掛拓未
訳、オーム社、2011年