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テスラのサイバートラックについて

テスラのサイバートラックについて

 2024.01.14

 

・テスラがようやくサイバートラックの発売を開始した。現在のところ北米のみの販売。これはいくつかの車種があり、価格はオール・ホイール・ドライブ型(All-Wheel Drive)が8万ドル弱、最上級車のサイバービースト型(Cyberbeast)が10万ドル弱となっている。なお普及型のリア・ホイール・ドライブ(Rear-Wheel Drive)型は約6万ドルで、今年中に販売予定となっている。

 

・最上級のサイバービースト型の馬力は630kwでトルクは13.959Nm。スピードはスポーツカー並みで、時速100キロに達するまでの時間は2.7秒、最高時速は209キロ。一充電当たり走行距離は515キロ(レンジエクステンダーを利用すれば705キロ)。また充電時間も短く15分充電で206キロ走行可能であるという。最大可載量は11トン。

 

・このトラックの力学特性は以下のとおり。捩り剛性(torsional stiffness)は、ステンレス合金でできているためマクラーレンP1(スーパーカーで有名、価格約1億円)より強いそうだ。また抗力係数(drag coefficient)は0.335と乗用車並みを誇っている.

 

・このクルマの特徴は、中島聡氏も書いているように、従来のピックアップトラックが利用しているフレーム構造(堅固なフレームを作り、その上にボディーを載せる)を使わないこと。テスラのサイバートラックは特殊な合金で作られた強度の高いパネルでボディを作ることで、ボディ自体に強度を持たせている。また電気システムの電圧を従来の12ボルトから48ボルトに変更した点。これによってハンドル操舵(Steer by wire)は、機械式から電子式となった。

 

・いつも思うのだが、テスラのEVが出たときにも、その生産方法(ギガファクトリー)や車の特性に関しては、日本ではほとんど話題にならなかった。今回の場合にも、日本のメーカーは、テスラのサイバートラックが実現した新たな生産・加工技術にもっと目を向けるべきだろう。

 

・しかしテスラ自身も決して安泰ではない、ごく最近中国のBYDがテスラをEV販売台数でちょっと追い抜いた。EVの世界は、現時点では、テスラとBYDの一騎打ちになり始めている。日本の新聞は、ようやく最近EVなどと騒ぎ始めたが、この分野で日本車の影は薄い。このままでいけば、日本車が世界市場を抑えた時代は早晩終わりを告げるだろう。すでに東南アジアでその動きが始まっているようだ。

 

(参考)

・Life is Beautiful,中島聡、2023.12.13

・Jack Quick,"Tesla Cybertruck:First electric utes officially delivered",CarExpert,Dec.1,2023

・Edward White & Steff Chavez,"Tesla overtaken by China's BYD as world's biggest EV maker",FT,Jan.03,2024