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プロジェクターよ、さようなら!

プロジェクターよ、さようなら!

   2023.11.11

・最近友人の家を訪問したら、「テレビを買ったがうまく操作できないので、ちょっと見てくれ」と言われた。

 

・今どきのテレビは、われわれがユーチューブをみるときに、アマゾンFireで設定するような初期画面になっている。友人に聞くと、グーグル・アシスタント搭載テレビだという。

 

・結局リモコンを操作して、何とかテレビは映るようになった。事務所に帰ってからこの話を同僚にしたら、笑われてしまった。今どきのテレビは、テレビ放送を見る道具というより、各種のウェブアプリを見るツールになっているというのだ。たしかにわれわれも、テレビにアマゾンFireをつけてネットフリックスなどを見ているから、これは理解できる。これまでは、既存のテレビにアマゾンfireを装着して使っていたが、今のテレビにはその機能がすでに備わっているらしい(Googleアシスタント搭載などとうたっている)。

 

・これにヒントを得て、ちょっとした実験を行った。つまりパソコン画面をテレビに映してみたのだ。パソコン画面よりテレビ画面の方が大きくかつ精度も高いので、数人で見るには、こうすると便利だ。

 

・我々はソフトを作っているが、従来は試作品のチェック作業に、パソコン画面をプロジェクタを用いてスクリーンに映していた。当方は小さな会社だから、安いプロジェクタしか買えない。すると画面精度が悪いため、スクリーン上の画面はぼんやりしている。またプロジェクタをパソコンにつなぐにも相性があって、うまく映らないこともあった。

 

・こうした作業は、今のテレビ(もしくはHDMI装着のディスプレイ)であれば、簡単にできる。ソフト開発中のパソコン画面をアンドロイド・テレビに転送すればよいからだ。テレビに映せば、高精度な画面を皆で共有でき、ソフト開発のテンポが早まる。しかもそれに要するコストはせいぜい数万円だ(グーグルアシスタントを購入)。

 

・こうしてみると、プロジェクタをソフト開発に使う時代はすでに終わった。なぜならもっと安い手段で、きれいな画面を、簡単に皆で共有できるようになったからだ。

 

・話は飛ぶが、iPhoneはカメラ、懐中電灯、ボイスレコーダー、目覚ましなど様々な道具を不要にした。今回のアンドロイド・テレビは、プロジェクタを不要にする。ある日普及型プロジェクタの需要は雲と消える。プロジェクタメーカーはそれに気づいているだろうか。